巷では、二代目経営者は創業経営者に比べて頼りないイメージが少なからずあります。よく、二代目が潰すとか、三代目が潰すとか言われているやつです。
まぁ、二代目の立場から意地悪く言えば、会社を潰しているのは間違いなく創業者の方が多いです。創業して10年以内で9割が倒産しますから。そういう話は置いておいて、
僕は二代目経営と第二創業経営をどちらも経験しているハイブリット型の経営者だと自負していますが、
頑張ってる二代目経営者をたくさん知っているので、今日は二代目経営の強さを語りたい。
二代目の最大の強さは、先代の人生を受け継いでいる覚悟を持っている事です。
父の人生そのものの会社を、絶対に潰したくないという強い想いを持っています。これは感謝の親孝行でもあり、自分の使命感です。
こういう事を言うと語弊があるかもしれませんが(僕は創業者が大好きです、と予め断っておきますが!)、創業者は、自分で好きなように事業やりたい!とか、とにかくお金稼ぎたい!とか、自分の想いメインで会社を興します。
なので、あかんかったら潰したらいいわ。どうせ元々無かった中で俺がつくった会社やし。世の中に必要とされてないなら仕方ない。と、すぱっと割り切ってる人も多いです(違う人も多々居るかと思いますが、僕が沢山の創業者と話していて違和感を感じるのはいつもこの部分です)
二代目は、全くそんな風に考えません。一切割り切って考えません。
二代目は、他にやりたい事があったり、特別自社の事業にこだわりがある訳ではない中で、承継のタイミングを迎えます。そこで自分の使命と向き合い、自分の人生を注いで今在るものを受け継ぐという絶対的な覚悟を、過程として踏んでいます。
先代の想いと自分の想いを重ねあわせているのです。事業を承継する事自体に意義を持ち、自分の想いメインでなく、自分の周り、つまり社会に貢献する為に承継する想いがある。
これが強いんです。めちゃくちゃ強い。だから意地でも会社を潰さないぞと思ってます。絶対潰したらダメだと思っています。それぐらい大切な存在なのです。
イベント21の場合、現在売上を構成する顧客の98%以上が、僕が創り上げた新規事業部から生まれています。そして現在働いている従業員の94%が、僕が面接して採用しています。元々4人しか居なかったのが50名になっているわけですから割合的にこうなりますよね。
理念も、ビジョンも、計画も、ビジネスモデルも、強みも、人も、顧客も、ブランディングも、全て僕が第二創業で創りました。
はっきり言って、ほとんど新しい会社みたいな状況になってますが、間違いなく僕は二代目として、先代にめちゃくちゃ大きな敬意を持っています。
ゼロからイチを創ったのは、紛れもなく先代だからです。凄いんです。僕には体験出来ない経験をしています。本当に羨ましくもあり、心から尊敬出来る部分です。
中身は変わったとしても、先代が生み出したイベント21という箱で、僕は事業展開している。これは絶対にずっと変わらない。
この箱には先代の汗と想いと歴史が詰まってる。僕はその土台があったから今があると思っています。
二代目経営者の皆さん、特にまだ結果を出せてない二代目は、相当腹の立つ理不尽な想いもされているかと思いますが、周りを変えるには、自分が変わるしかないです。周りの発する言葉が変わるぐらいの圧倒的な自分に変わる(進化する)しかないです。
そうなった時、むちゃくちゃ強いですよ。なぜなら僕達は、自分の想いだけでなく先代の想いも背負う事が出来るからです。
厳密に言えば僕も本来の二代目とは言えません。なぜなら先代が他界してから事業を引き継いでいるし、引き継いだ会社がカタチを持っていなかったのでいくらでも自分で変えられたからです。
逆に、既にカタチのある会社を引き継ぎ、しかも先代がまだまだ健在とすれば、自分のやりたいように変えていけない葛藤があるでしょう。もっと今在るモノに自分を合わせる努力が必要でしょう。でもその分、今在るモノを活用出来る選択肢もあります。
物事は全て一長一短です。どっちが良い悪いではないです。
どちらにしても、承継する覚悟を持つ過程を踏める二代目が一番強いのです。最終的に会社が発展する最大の原動力は経営者の想いでしかない。その想いを二人分に強められるのですから、これは本当にありがたいですよね。
逆に言えば、覚悟を持てない人間は経営者になるべきではない。社会に対して失礼であり、迷惑だからです。これは創業者も二代目も同じです。だからこそ、覚悟を持ってもらいたい。
大丈夫ですよ、今物凄く辛くても、必ず承継して良かったと思えますから。そう思える環境を創るのは自分でしかないのです。
どうせ創業者も二代目も本気で経営しないとすぐに潰れる過酷な世の中で戦っています。時代は常に変化し続けている。本物しか生き残れない中で、優れた経営をしていたら必ず周りの見方が変わってきます。極論を言えば、二代目で結果を出せる経営者は、創業者だったとしても出せている。そう周りに思わせるだけの分かりやすい結果を出せば良い。
僕達は創業者に比べて、数年から数十年の時間と汗をショートカット出来ているのです。借金や悪しき習慣など自分でイチから始めたほうが早いわと思うマイナスの部分もありますが、信用や実績という時間が必要な歴史を引き継げるプラスの部分もある。結局プラスマイナスゼロなんですよ。マイナス面でプラス部分を買ったと思えば良い。
自分が頑張るだけで、そう思える選択肢をとれるのは、間違いなく二代目の特権です。
だからこそ外部環境のせいにする暇があるなら、自分を進化させましょう。僕も死ぬ気で頑張ります。
創業者が、二代目が、ではなく。
優れた経営者か、そうでないか。今から未来に渡り、圧倒的なhappy!を世の中に生み出せるかどうか。
僕達全ての経営者がこだわるべきは、ここでしかない。
二代目、負けんな!!一緒に頑張りましょう^ ^