僕の大好きな言葉の一つに、「小善は大悪に似たり、大善は非情に似たり」という言葉があります。(24日目/245日目)
社員教育をはじめ、仲間や地域、家庭など、全てに通ずると思っていますが、リーダーが目指すべきは、その場に居る全員が相互にポジティブな変化を生み出せる自立型環境づくりではないでしょうか。
つまり成長出来る環境を創るリーダーシップの軸に、僕はこの言葉を置いています。
この言葉の意味は、例え話になりますが、
小さな湖のある山の麓に、おじいさんが住んでいました。
毎年冬になると、冬を越す為に魚のいるこの湖に雁の群れがやってきます。
毎年やってくる雁が可愛く思えたおじいさんは、何度目かの冬から餌をあげるようになります。
雁は嬉しそうにおじいさんの餌を食べて、冬を過ごすようになりました。
村の方達はその光景を見て、おじいさんは優しいね、良い人だねと言い合っていました。
そしていくつかの冬が過ぎ、その年も雁がやってきます。
ですがその年はおじいさんがいつまで待っても現れません。実はおじいさんは寿命で亡くなっていたのです。
でもその事を知らない雁の群れは、足元には魚が沢山泳いでいるにも関わらず、自ら狩りをする事を忘れてしまっていたので、ずっとおじいさんを待ち続け、やがて衰弱して全滅してしまうのです。
さて、このおじいさんのやった事は、雁にとって良かったのでしょうか?という話です。
喜ばせるのは簡単です。言い方は悪いですが、餌をあげたら済む話です。そして簡単に周りからも優しい人だと言われる分かりやすさがあります。仲良しこよしは本当に楽です。その瞬間だけ見ればですが。
でもそれは依存させるだけになっていないかを考える必要があります。
雁(相手)にとっての本当に幸せは何なのか?
今楽してお腹いっぱいになって5年後絶滅する事なのか、
それとも今苦しいけど自分で魚を採れる術を覚え、外部環境の変化に関わらずずっと自分の力で生き抜いていける事なのか。
本当に相手の為になっているのかを考え、そこに向かって導いていくのが、一番の優しさを持ったリーダーだと思うのです。
経営者も同じです。社員それぞれ見ている視点の高さは違う中で、今社員全員の言う事を全部聞いて、ボーナスも沢山支給して喜んでもらっても、そのせいで5年後倒産して社員全員をハローワークに並ばせても無意味なのです。継続してこそ意味があるのです。
自立させる為には、時には厳しい事も言わなければいけない。例え今気付いてくれなくとも、それが本当に相手の為になるのであれば勇気を持って実行しなければいけない。結果は時代が証明してくれます。
リーダーは、自己満足や、周りからの評価に惑わされて勘違いしてはいけない。本当に大事な事に気付いて、勇気を持って実現していける人でなければいけない。
その小さな善い事は、実は大きな悪い事になっていないか。
逆に大きな善い事とは、周りからは中々理解されずに非情に思われてしまうかもしれないが、誰のためになるかを考えたらやらなければいけないのではないか。
僕は経営者の責任として、今一生懸命頑張ってくれている従業員全員と、その家族を、永続的により良くhappy!にしていく大きな大きな使命があります。お客様に対しても、地域に対しても同じです。
何の為にするのか? つまりは、you happy, we happy!の実現なのです。
決して小善に逃げないように自分を律し続け、この大善を実現する為に全力を尽くしていきたい。
まだまだ発展途上の自分だからこそ、この言葉を軸にして本気で頑張っていきたいと思います。
いつもありがとうございます。