よく、社員が主体的に動いてくれないんだという悩みを聞きます。
社員が主体的になる為には、それぞれに使命感を持つ事が必要だと思います。
使命感とは、役割意識の事。「今ここでやらなければいけないのは、自分だ。」という役割意識です。
使命感って僕はパワー増量スイッチだと思っています。
使命感を持つ人間は、普通の人以上に能力を発揮できるスイッチが入ってるんですよ。
人間は本来持つ力の10%しか使っていない。火事場のクソ力という言葉もありますが、使命感というスイッチによって、更に能力を上げられるのです。人間って凄いですね。
では、どうすれば使命感(役割意識)が生まれるのか?
それは感謝によって気付けるのです。
自分が必要とされた時に、今までの苦しみから報われる。その瞬間、恩をいただいた人に強い感謝の気持ちが芽生える。
その恩をいただいた人に恩を返すのが、恩返し。その最終形態が、恩送り。
恩送りとは、パワー増量スイッチターボです。ドライヤーでいうたら、既に「強風」にしてるのに更に「強」にする機能みたいなもんです。既にブォー!ってなってるのに、更にブォォォォー!!!!ってなる。すげ。みたいなね。
そもそもきちんと恩返し出来る人も世の中に半分も居てないと思いますが、恩送り出来る人は更にめっちゃ減る。だからこそ、このブォォォォー!!!!の視点を持ってる人は強いのです。
ではどうすれば恩返しの概念しか腹に落ちてない人が、恩送りの概念を知識だけでなく腹落ちで気付けるようになるのか。
それは、恩をいただいた人に、何を返す事が一番相手が喜んでくれるかの本質に気付いた時です。
その人に返すだけでは、相手に一瞬しか喜びを感じてもらえない。恩返しって、本来、恩を貰ったから返さないといけないというような「義務感」で返すものではないはずです。本当に相手に良くなってもらいたいから返す。
であるならば、その日だけ喜んでもらっても次の日悲しい状態になるのでは意味が無い。永続的に相手が良くなる効果が継続しないと意味が無いのです。
スポットではなく、継続していく為には、その人の取り巻く社会(地域)や、その人の最愛の子供、つまり次世代(未来)を良くする事(=恩送り)が必要です。そしてそれこそが、その人への最大の恩返しだという事なんです。
なぜ恩送りをすると結果が良くなるのか?
それは、地域と未来をより良くする為に動く事、より良く出来る力を持った存在になろうとすれば、より大きな目標を実現する事に意識が向く訳ですから、今の行動が変わる。加速するからです。
例えば部活をやっていて、県大会一回戦出場を目標に置くのと、全国大会優勝を目標に置くのとでは、毎日の練習量や質が変わるのと同じ原理です。県大会出場するだけなら毎日グラウンド1周だけ走ってれば良いですが、全国大会で優勝しようと思ったらそんなわけにはいかない。そんな練習量では話にならない事に気付くはずです。
目標が高くなると、行動が変わるのです。
恩をいただいた相手個人へ一瞬だけのhappy!を生み出すのではなく、より大きな存在である地域や未来を、永続的により良くする事(実はそれが一番恩人の大きな喜び)が自分の役割だと気付き、使命感を持つ(自分の命を使う)事が出来れば、動きが変わり、結果が良くなるのは当たり前なのです。
地域や未来って、壮大ですよ。間違いなく自分が儲ける為とか、自分が楽する為よりも、他人の幸せの為に動くほうが高い目標であり、それが志です。
人は一人では生きられない。今まで生きて来れたのは誰のおかげか?(過去の全ての人達への感謝)
そしてその恩人に一番喜んでもらえる恩返しは、何か?(地域や未来に恩送りする事)
それは誰がするのか?(自分がやらなければいけないという気付き。使命=役割意識を持つ)
この役割意識を全社員が持つ事が出来れば、日本を良くする事、地域を良くする事、家族を良くする事、周りの仲間や自社を良くする事、お客様を良くする事、協力会社を良くする事、つまり自分の周りの人達全てをより良くしていく主体者となれる。
だから本音で社員と関わり続け、感謝の気持ちを高めてもらう事や、芽生えた感謝をどう返していくのかを、個人の生きる目的、働く目的の一つとして、社員が気付けるように関わっていく社員教育を、経営者はしていかないといけないのです。
数字を上げる手法だけを教えている経営者は、浅い。そんな経営者のもとで、一生懸命自分の人生の時間を使って頑張ってる社員が本当にかわいそうです。
その会社で何十年も勤めて、退職した時に、気が付けばその業界のその会社でしか通用しないような、数字を上げる手法しか身についていないわけですから。そんな人が豊かな人生を歩めるはずがない。社会的責任を背負う覚悟の無い人が、社会に対して影響力を持っては本来いけないのです。まぁそういった会社は自然に淘汰されていくと思いますが。
会社の目的は理念。つまり、自分の私利私欲ではなく、利他の精神として、この世界をより良くする事を会社の目的として明確化しているのが、理念。
この会社の目的と、個人の目的を、常に、全員で擦り合わせる事で、組織内に主体者が生まれていく。
そんな組織が、負けるはずがない。全社員が、この世界をより良くする事、自分の周りの人達をより良くする事に命を使える主体者なんですよ。
そんな凄い組織が、自分の損得やお金を稼ぐ為だけを目的としている組織に絶対に負けるはずがない。負けてはいけないし、その真実を子供達に証明する使命が僕達にはあるのです。この世界は素晴らしいんだと。正々堂々と生きる事が一番良いんだと。
そんな強い組織を、僕は創りたい。
その為には経営者の器が問われる。どれだけ口で偉そうな事を言っていても実が伴っていなければ人は動かない。周りが肌で感じられるほどの次元で実が伴ったら、自然と言動が変わっている。だから周りも変われるのです。
だから経営者は日々学び、成長する事が必要なのです。楽してスキルだけ磨いても、実が伴っていなければ自然な所作が生まれない。人間力って、周りの人へどれだけ良い影響を与える事が出来るかだと思います。その人間力という「人としての器」を肌で感じさせられないなら、周りを変えられるはずがない。
結局は本物にならんといかんのです。それが最短ルート。
結果は後からいくらでもついてくる。当たり前です。これは思考停止した神頼みでも何でも無く、緻密なロジックです。
この世の中の真理にいつ本気で気付けるか、そして実践出来るかどうかが、永続的に発展して行ける企業としての成長速度に直結されるんだと思います。
僕もまだまだ未熟ですので、死ぬ気で高みを目指して頑張ります。いつもありがとうございます。